防災に対する再認識


春日町第三自治会は、野田市の北西部にあり、近くには江戸川と座生川があります。

●春日町第三自治会が立地する地域は、明治期には低湿地になっていました。

●春日町第三自治会は、近隣地域と比較し相対的に低い所にある。

●野田市には、「野田隆起帯」と呼ばれる伏在活断層があり、野田の北西部地域は、その傾斜した上に位置している。


最近の天候は、「かつて経験したことがない・・・」、「観測史上はじめての記録・・・」と言う言葉がテレビニュースなどで耳にする機会が増えてきている。

野田市でも令和元年10月13日には、他風19号にともなう洪水に関する「警戒レベル4、避難勧告」が発令されました。


自らのいのちを守ため次の事をしっかりと理解しましょう。

    

明治期の様相

明治期低湿地【国土地理院】 国土地理院地図の明治期の低湿地の状態を現在の地図上に表示すると左図のようになります。
明治期には、春日町、五木新町、日ノ出町、谷津、吉春(飛び地)、岩名2丁目、岩名1丁目などは、低湿地にあり、また、光葉町、桜の里、つつみ野などは、水が貯まったところに造成された地域となります。

明治期の自治会域内地勢を見ると殆どが湿地帯に隣接した低地でした(国土地理院地図より)。


春日町第三自治会は、近隣地域と比較しても低い

春日町・五木新町の標高

野田市は、利根川とこれより分流する江戸川に挟まれた下総台地北西域(端部)に位置し、市のほぼ全域に台地が分布する。台地面は、両河川に注ぐ多数の支流や水系に由来する谷や凹地の形成により、複雑な地形面となっている。また、両河川流域には氾濫低地が発達し、砂の堆積した微高地(自然堤防)も形成されている。

自治会域内での標高は
●春日町地区では標高12メートルを越えています。春日町で最も低い所でも8.1mです。高低差は約4mです。
●五木新町地区では、春日町地区と比べて低く、最高10.4m、最低7.0mです。 高低差は約3mです。

※この画像は、国土地理院「関東地方」のデジタル標高地形図」【技術資料D1-No.533】を使用しています。春日町第三自治会域が周囲より低いことがお解りと思います。

五木新町地区の最も低い7.0m付近では平成25年8月6日の局地的集中豪雨では浸水被害が発生しました。

原因は短時間での急激な降雨と排水溝の排水効率の悪さが重なったためでした。
 この箇所での被害再発防止目的とした排水効率改善工事が平成26年3月に竣工しました。現在まで浸水は発生していません。

 

河川決壊と浸水水位【江戸川決壊】

次の画像は、江戸川の野田市側の堤防が決壊した際、一番浸水の水位が高くなる地点【岩名231付近】での浸水位です。

江戸川決壊時の最大浸水水位この画像は、国土交通省の「地点別浸水シュミレーション」の結果です。

その時の最大浸水水位を表示しました。五木新町で5.0m越えになり、自治会域内だけでなく野田北部地区が浸水の被害を被ることになります。


河川決壊と浸水水位【利根川決壊】

利根川決壊時の最大浸水水位

次の画像は、国土交通省の「地点別浸水シュミレーション」によると江戸川河口から49.5km地点より野田橋手前の39.5km地点で江戸川左岸堤防が決壊すると春日町第三自治会域内は0.5m~5.0m越えの浸水に襲われる。

野田市内の利根川の右岸堤防が決壊すると野田市のほぼ全域が浸水し、その水位は最大5.0mを越える。

芽吹大橋から1.5kmより下流での決壊では、野田市北西部の被害は、無いようです。


野田伏在断層【野田隆起帯】

野田伏在断層

断層は千葉カントリー川間コース・県道17号線東側から南下して東武野田線運河駅を通り、つくばエクスプレスおおたかの森を経て、流山運動公園近くまで活断層が続いています。

■隆起帯とは、下から押し上げるような力が継続してかかっていることで、やわらかい層が褶曲して盛り上がり、硬い岩盤は多くの場合断層となって片側が落ちこみ片側が盛り上がります。

野田隆起帯は上記「野田伏在断層(東京大学地震研究所)の4ページ下段」にあるように赤い線を頂点に西側の傾斜しています。矩形モデルを形成しています。

※詳細:「首都圏の伏在活断層(首都直下地震防災減災特別プロジェクトH23年度報告書からの抜粋P3~4)」【外部リンク】を参照してください。


野田での地震の場合【揺れ易い・液状化の危険度が大きい】

断層は千葉カントリー川間コース・県道17号線東側から南下して東武野田線運河駅を通り、つくばエクスプレスおおたかの森を経て、流山運動公園近くまで活断層が続いています。

■野田市地震ハザードマップでは、次の注意を喚起している。

  1. 液状化危険度マップ(危険度が大きい)[野田市地震ハザードマップ]
  2. 地域危険度マップ(危険度4ないし5)[野田市地震ハザードマップ]
  3. 揺れやすさマップ(野田伏在断層直下地震M7.0想定時)震度6強・計測震度6.1ないし6.2[野田市地震ハザードマップ]      

野田市北西部での体感震度は、鶴奉での震度より強く感じる震源地がある。震源地が茨城県南部、茨城県北部、福島沖などがこのケースに該当します。

逆に、小笠原諸島周辺や千葉県東方沖地震などでは、弱く感じられます。

※ 関東付近は、プレートが複雑な構成になっているので、揺れ方に違いが発生すると言われています。

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